墓石に水をかけてはいけない?
正しい墓石の洗い方
お墓参りの正しいマナーや作法として、「墓石の上から水をかけてはいけない」テレビやネットニュースなどで話題に上ることがあります。
お寺では水を汲んできてお墓にかけたり、墓石の掃除のために水をかけている方がほとんどではないでしょうか!?
墓石の上から水をかけるのは無礼?
お墓はご先祖様の頭?
墓石の上から水をかける行為が無礼と言われだしたのは、「ご先祖様の頭に水をかけるのは失礼である」という説があるためです。とは言えご先祖様は墓石ではなくその下にあるカロートと呼ばれる骨壷を納めるところに眠っています。
宗派によってはお墓に水をかけることは失礼に当たるとしているところがあるかもしれませんが、基本的に墓石に水をかけても問題ないというのが冠婚葬祭関係の人間やお寺側の方々の意見に多いのではないかと思います。
「お墓に水をかけることが無礼」という話題はお盆時期になるとテレビやネットで取り上げられますが、そのたびに「いやいやそんなことはないんですよ」という声も話題になり、これが恒例行事のようになっている節もありますよね。
故人のことを思いやり、汚れたままではなくキレイにしてあげる
事実、お墓は雨風に365日さらされています。中島石材ではお墓のクリーニングサービスもやっていますが、放置しておくとゴシゴシと拭き掃除をしても汚れが落ちなくなり、墓石自体の劣化も進んでしまいます。
そうなる前に、故人のことを想いお墓参りに行き、できるだけきれいな状態にしてあげるのがよいのでは・・・と思います。
お墓に水をかける仏教の言い伝え
仏教では人がなくなった後に輪廻する世界の一つ、餓鬼界には水が存在せず喉が渇いてしまうためお墓に水をかけて少しでも潤してあげるという考え方や、お墓の周りにいる飢えた「餓鬼」へ水をあげる慈悲行為にもなるという考え方もあります。
また単純にお墓を清めるためにたっぷりと水をかけてあげることが良いとする考え方もあります。
何れにしても、お墓に水をかける行為は地域の歴史や宗派によってさまざま。一概に「水をかけてはいけない」ということにはならないと覚えておいてくださいね。もし不安な場合はお寺の住職に聞いてみるのがお薦めです。
お墓の洗い方
水で砂埃などを洗い流す
まずは墓石に水をかけ、上に溜まった砂埃や花粉、虫の死骸などを洗い流してあげます。
すぐに拭き掃除をしてしまうと墓石の表面を傷つけてしまう恐れがあるためです。
墓石に溜まっている汚れは、雨による水垢や埃による黒ずみ、苔やカビが発生していることもあります。また黒い墓石は虹色に滲んで見えることがあります。これも汚れによってこのように見えています。
軽く拭き掃除程度でOK
水をたっぷりかけたあとは洗剤などは使わず、また力を入れすぎずに墓石を雑巾やスポンジで拭いてあげましょう。洗剤など薬品を使ってしまうと、墓石にある目に見えない「細孔」に染み込んでシミになる可能性もあります。そのため頑固な汚れは無理に落とそうとせず、プロに任せたほうが安心です。
取れない汚れやシミなどはプロに相談
もし拭いても落ちないシミなどの汚れがある場合、自己流で洗浄するのはお薦めしません。
墓石を専門に掃除をするプロならではの業務用洗剤や掃除方法、手順があるため、無理をせずにプロにお墓掃除を依頼してみましょう。石の種類と汚れの状態を見て最適な洗浄を時間をかけて丁寧に行います。